【プロ野球】【惜別】中日・雄太。楽天戦で負けなし5勝。同姓左腕対決を制した「鷲キラー」の投球術を振り返る

同姓左腕対決を制した「鷲キラー」の投球術を振り返る

 約1カ月後にドラフトを控えるこの時期は、現役選手の引退報道が舞い込む、もの悲しい季節にも当たる。

 今年もDeNAの三浦大輔、ロッテのサブロー、日本ハムの武田勝ら一時代を築いた名選手がフィールドに別れを告げるなか、中日の雄太もプロ11年に終止符を打った。

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■「サンデー川井」で開幕11連勝の雄太が現役引退

 雄太は、筆者在住の長野県東信地方、旧・望月町(現・佐久市)の出身だ。この町から誕生したプロ野球選手は、太平洋戦争で散った選手たちを慰霊する「鎮魂の碑」に名が刻まれている渡辺静(朝日軍)以来、2人目である。

 上田西高、大東文化大、日本通運を経て2004年ドラフト4位で中日入り。プロ11年の通算成績は100試合28勝31敗、防御率3.44だった。

■川井雄太vs川井貴志。唯一実現した同姓左腕対決で持ち味を発揮

 本名の川井進を皮切りに川井雄太、雄太へ。登録名が頻繁に変わったことでも知られる技巧派左腕は、2009年に「サンデー川井」で開幕11連勝。この快投が世間一般的にはよく知られたエピソードになる。

 しかし、楽天を定点観測する筆者が真っ先に思い出すのが、2011年5月23日の好投だ。ドラゴンズのOB、星野仙一監督就任1年目の楽天をナゴヤドームに迎えての一戦で先発し、みごとに白星を挙げた。

 奇しくも楽天の先発も川井貴志。最初で最後になる「同姓のベテラン左腕対決」を制した試合だった。

 両投手ともに持ち味を発揮し、中盤まで投手戦。先手は中日が取る。ブランコの働きが光った。初回に先制打、4回にはソロホームランで2点の援護。5回を投げた楽天・川井もその2失点にまとめたが、終盤に中継ぎが崩れ、6対1で中日が勝利した。雄太は楽天打線を散発の3単打に抑えて7回途中1失点。この年の2勝目を手にした。

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