さらに、身近に起こりやすい味覚障害の原因について、新潟大学病院元管理栄養士の林康子氏は、次のように説明する。
「味覚障害を訴える患者さんは本当に増えています。間違いなく生活習慣病と並んで、今や日本の国民病の一つになっていると思います。味覚異常障害は古くから知られている症状で、やはり極度のストレス、老化現象が引き起こす場合もあります」
林氏によると、味覚障害に陥るタイプの人も、時代とともに変わってきているという。最近の傾向として見逃せないのが、10代〜20代に増えている点だ。とくに若い女性に症状が多く見られ、あるメディアが女子大生を対象に調査したところ、半数近くが味覚障害の疑いがあると言ったデータが出ている。
「その原因の多くは、亜鉛不足。若い皆さんがよく食べるファーストフードや清涼飲料水などに含まれるフィチン酸やポリリン酸などの添加物は、亜鉛の吸収を妨げる作用があります。また、過激なダイエットも、栄養が偏りがちによる亜鉛不足で味覚障害の原因になります」(同)
そもそも味覚は大きく分けると、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の五つに分けられる。舌や上顎に 「味蕾」という器官があり、そこで味を感じ分ける。味蕾の細胞を顕微鏡で見ると花のツボミに似ているところからその名前が付けられているが、その食べ物が「美味しい」、「美味しくない」を識別するだけでなく、人間が生きるために必要な物質を体内に取り込み、有害な物は入らないようにする自然の摂理を司る重要な役割も果たしている。
東京医療センター・耳鼻咽喉科担当医もこう話す。
「亜鉛は『味蕾』の再生に必要な要素であって、他の栄養素と同じく、食べ物の中から身体が要求する分だけ腸が吸収します。バランスのとれた食生活さえしていれば、亜鉛不足は起きません」
しかし、アルコール好きの人は注意が必要だという。
「酒の飲み過ぎもやはり亜鉛不足を起こします。アルコールを分解しようとして、体内の亜鉛を多量に消費するためです。これを防ぐには、亜鉛を多く含む牡蠣などの魚介類、またはチーズなどの乳製品を多く食べながら飲むことを心掛けるべきです。さらに、実はストレスも血中の亜鉛の濃度が低くなる原因になる。
脳の異常が隠れている場合も! 侮れない急増中の味覚障害(2)
2016.10.16 10:00
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