小さい頃から、絵と小説が好きだったんですよね。本当はどちらもやりたかったんですが、小説でしか味わえない魅力があるし、絵でしか感じられないハッとする驚きがある。幼い頃から大好きだった映画なら、その両方が味わえるんじゃないかと、映画監督になろうと思ったんです。
映画って、空間、いわば世界を作ることだと思うんです。たとえば、人物が立っている映像だけでは、映画にならないですよね。その人物が振り返ったら、次のシーンでは、彼の目に入った映像が流れてという風に、一つの映画空間を作っていく。僕たちは、もちろん、一つの物語をどう見せていくかってことに注力しているんですが、それって具体的にどういうことなのかって聞かれたら、どんな映画空間を作るかってことだと思うんですよ。
だから、『図書館戦争』や、『GANTZ』といった原作があって、それを映画化してくれという依頼が多いんですが、決して、原作の世界観を縮小再生産したくはない。人気の原作ともなれば、原作ファンからのプレッシャーも大きくて、委縮してしまいがちなんですが、“こんなもんだろう”って観にくる人の期待を圧倒的に凌駕するものをみせるような作品を作りたいんです。
最近の映画は、原作付きのものばかりだなんて声も多いと思うんですけど、映画史に名を残すような名作だって、原作があるというものも多いんです。なので、原作があることが悪いのではなくて、そこに映画としてのたくましさや、映画流の芸がないってことの方が問題だと思います。原作ファンが、“えー!”と圧倒的な映画体験ができるような作品であれば、そんな声も出ないはずです。
なので、今回、監督をさせてもらった映画『デスノート』も、原作が基になっているんですが、委縮するどころか、どうやって、ファンを“あっ”と驚かせようかと、燃えました。特に、今作は原作の世界観を引き継いで、その10年後を描いたオリジナル作品でもあるので、より映画空間を作る醍醐味が味わえましたね。2次元なので、原作のなかでは、質感っていうのは分かりづらくて、読者の想像にゆだねる部分だったりするんですが、映画化するときには、まずどういう質感で、映画空間を作っていくかというのが、一番のテーマなんです。
映画監督・佐藤信介「今回の『デスノート』は、どう原作ファンを驚かせようかと燃えました」
2016.10.26 13:00
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