東京大停電 首都直下大地震で電力供給ストップの地獄絵図

| 週刊実話

 「電力がストップすると、あっという間に都市機能がマヒします。非常用電源が準備されていても、やがてそれは尽き、そこから本当のマヒが始まるのです」
 こう語るのは、防災ジャーナリストの渡辺実氏だ。

 10月12日、都心から遠く離れた送電ケーブル火災の影響で、東京都11区、約58万6000軒が停電に陥った。出火は午後2時45分ごろ、埼玉県新座市野火止の東京電力の地下施設で発生。地下約6.5メートルにあるトンネル状の“洞道”と呼ばれる施設で、新座変電所から練馬変電所と豊島変電所に結ぶ、送電ケーブルの分岐点手前で発火したという。
 「都心まで伸びる2系統の送電路で起きたトラブルだったため、重大な結果を招いた。先に火災が起きたのは練馬へのルートで、練馬変電所については10分程度で別回線からの送電が行われ復旧。しかし、その直後に起きた豊島変電所に向かう送電線の火災で、停電範囲が広がってしまった」(全国紙社会部関係者)
 原因は、ケーブルの老朽化だった。事故後、東京電力の発表により、今回出火したものと同タイプのケーブルで敷設から35年以上が経過したものが約7割、中には60年近く経っていたものもあったことが判明。点検も目視のみだったというから、素人目に見ても手抜きを疑いたくなる。

 それにしても、たった1カ所の送電ケーブルの火災で今回のような停電が起きると、“発生秒読み”とも言われる関東直下型の巨大地震直後のパニックを想像せずにはいられない。
 「電力が断たれると都市機能が100%ストップすることを改めて思い知らされた。首都直下型地震が発生すると、今回のような事態では済みません」(前出・渡辺氏)

 例えば、病院にとって電力はまさに命綱だ。
 「人工呼吸器や患者監視装置、輸液ポンプは、停止すると生命に関わる。そのため、ほとんどの機器自体にバッテリーが内蔵されています。停電になると自動的にこの内蔵バッテリーで作動しますが、その時間は10分程度から数時間と、機種により異なるのです」(医療ライター)

 先の停電事故の際にも、練馬区内の病院では一時、手術の開始を見合わせたほどだった。
 「この病院の医療器具は自家発電で動くようになっていましたが、何しろ3時間しかもたない。

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