メキシコには政治家も警察もいない街がある。このチェランという街は5年ほど前から、ギャングや麻薬シンジケートなどの犯罪者がはびこるメキシコにおいて、まるで独立した小国のような存在になっているという。
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ここチェランは政治家も警察も汚職まみれで、法律や正義から見放された状態。そこで彼らは、自分たちの街のために立ち上がった。まるでロバート・ロドリゲス監督によるB級映画のような話だが、実際メキシコでは「チェランの街に続け」とばかりに独立しようとしている村や街が増えたそうだ。
そもそもは2011年に、マフィアや麻薬シンジケートがアボカド農園を作るために森林伐採を始めたことが直接的な理由だった。町議会の中心人物であるマーガレット・ロメロさんはかつて、数名の女性たちと共にギャングたちのところへと赴いたという。彼女が「夫たちは農業を営み、家畜の世話をしています。もし水がなくなったらどうなってしまうのか?」と言うとおり、太古から綿々と続く森林の急激な減少は、水にも大きく影響する。街の人々は牧畜、農業が不可能になり、街は経済的に崖っぷちに立たされてしまうのだ。
しかし、事態はそう簡単ではなかった。マーガレットさんたちは激しく罵倒され、武装したギャングたちに追い返されてしまう。そこで彼女たちが考えたのが"検問"だった。地域全体で協力して、街へ出入りする車両や人間を厳しく監視するという計画に打って出たのである。
そして同年4月、勇敢な彼女たちによる検問は功を奏し、伐採労働者たちの車両を検挙して数名を人質として捕らえるに至った。街の教会は危険を知らせるために鐘を鳴らし、直後にやってくるであろうギャングたちに備え、人々はマチェーテ(いわゆるナタのような山刀)や棍棒から石まで、ありとあらゆる武器をもって立ち向かった。