北朝鮮の老人たちが「自爆」を強要されている。

| デイリーNKジャパン
北朝鮮の老人たちが「自爆」を強要されている。

北朝鮮のような過酷な社会では、人々は「究極の選択」を迫られることがある。

大量の餓死者が出た1990年代半ばの食糧難の時代、ある国営企業の幹部たちは、違法と知りつつ中国との独自の取引を行った。 そうしなければ、幹部も労働者たちも食べ物を手に入れることができなかったからだ。

女子大生が拷問されて絶望

しかし、当局はその行いを許さず、厳罰で臨んだ。 そして、その理不尽さに納得がいかなかった人々は、あえて抗議の声を上げた。 残忍な国家が、そのような行動を許容しないことを知っていながら。

最近では、やはり当局により違法行為の追及を受けたある女子大生が、自らの命を絶った。

彼女の罪は、海外のドラマを見たという、北朝鮮以外の国では罪になりようもないものだった。 それでも彼女が自分の命を絶ったのは、その後の自分の行く末を案じてのことだった。

しかし、これらの例はいずれも自分の意志による選択だ。 国家の理不尽さに追い詰められてのことではあっても、それに抗う形で、人間らしい生き方を選んだのだ。

ところが最近の北朝鮮では、貧富の差の広がりなどで世知辛さが増しているためか、 子が親に「究極の選択」を迫る事例が増えているという。 北朝鮮で言うところの、「自爆精神の発揮」を求めているのだ。

老人の「抗議の死」

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、寒さが厳しくなる中、駅や公園の周辺に老人らの姿がよく見られ、この様子に周囲の人々も胸を痛めているという。実はこの老人たち、日中は家に居ることができず、寒くなるまで外で時間をつぶしているのだ。

庶民が作りだした市場が発展し、それと同時に急速に資本主義化が進む北朝鮮では、どの家庭でも働けて稼ぎがあればあるほど有り難い。逆に言えば、稼ぎがなければ居場所を失う。

代表的なケースは、稼ぎの少ない夫。利益のない国営企業に勤める男性の場合、給料はコメ1キロを買えるか買えないかぐらいの少額だ。とても生計を維持できないため、女性たちは市場で商いに励み、一家の大黒柱として薄給の夫と家族を養う。それにも関わらず、夫の方は、大して働きもせず、家ではタバコをふかしながらゴロゴロする。酒を飲んではくだをまく。

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