世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第196回 なぜ、経済成長が必要なのか?

| 週刊実話

 日本には、いまだに「経済成長」を否定する人々が蠢いている。彼らいわく、
 「日本は経済成長する必要はない」「日本はもう十分に豊かだ」「これからは経済的な豊かさではなく、心の豊かさを求めるべきだ」
 などなどレトリックは異なるのだが、経済成長、すなわち「GDPの拡大の追求」を否定していることに変わりはない。彼らの成長否定の考え方は、わが国の「亡国」に直結するという事実をぜひとも知ってほしい。

 国民はモノやサービスという付加価値を生産し、顧客に消費、投資という需要として支出してもらい、所得を稼ぐ。所得創出のプロセスにおいて、生産、需要、所得の三つは必ずイコールになる。
 そして、国内の「すべての生産」がGDPである。GDPとは、実は国内の生産の合計であり、需要の合計であり、同時に所得の合計でもあるのだ。
 わが国の所得の合計で「も」あるGDPが世界に占めるシェアの推移を見ると、左ページの図(※帆本誌参照)の通りとなる。
 1997年の橋本龍太郎政権の緊縮財政で日本経済がデフレ化する以前、わが国のGDPは一国で世界の17%超を占めていた。その後、日本のGDPシェアはひたすら落ちていき、2015年には5.6%にまで凋落してしまう。'97年以降も世界経済は普通に成長していったにもかかわらず、わが国はデフレーションによりGDPが拡大しない状況が続いたためだ。

 '13年以降は、円安の影響もあるため、'16年は多少戻すかもしれないが、それにしても「凋落著しい」としか表現のしようがない。このまま日本のGDPが世界に占めるシェアが縮小していくと、いかなる事態になるのか。
 日本がデフレーションと低成長を続け、世界各国が普通に今まで通りの成長を続けると、2040年には日本のGDPシェアは世界の2%前後に縮小することになる。もはや経済大国でも何でもなく、普通に発展途上国である。
 発展途上国化すると、日本人の所得および日本国内の物価が、諸外国から見ると割安になる。逆に言えば、日本人は世界各国がグローバルなマーケットで買うモノやサービスを買えなくなってしまう。

 わが国は資源輸入国である。

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