映画『ミュージアム』連続インタビューの最後は、関畑刑事役の松重豊。カエル男の劇場型殺人事件の一連を俯瞰して見ている関畑刑事役を通して、松重自身は何を感じたか。「現場で冷静になることが難しくなる」と述懐する松重に映画『ミュージアム』について聞く。
――そうとうショッキングなシーンもありましたが、撮影現場の様子はいかがでしたか?
脚本のト書きになっている箇所と、さまざまな特殊造型の死体を毎日目にすることが、本当に苦痛で(苦笑)。正直もう昼ごはん、夕食も食べられないほどナマなましかった。だから、これを本当に映像化してよい子が観られるのかと思っていましたが、僕が観ていた光景よりも、確かにマイルドになっていたように思います。
――小栗旬さん演じる主人公、沢村刑事が謎のカエル男を追っていく過程で、いつの間にか自分自身が追われるほうの立場になっていく展開、テーマなどが素晴らしかったですね。
僕は自分が演じる関畑という刑事を通じて、沢村に起こっている出来事を見つめているという視点で、作品に関わっていました。だから、この映画の中で、沢村とカエル男の関係をつぶさに観ているだけで、どっちかに感情移入しているわけでもないんですね。コトが起こっている最中は観察をして、後ほど分析していくような。僕自身もそう観ていましたね。
――松重さん自身も、冷静に観ていたわけですね。
そうですね。そういうことに巻き込まれてしまった人たちの想いを、全体として観ていましたね。カエル男が抱いている重荷や、しでかしている犯罪行為も含めて、冷静に。
――その冷静なスタンスは役柄の設定であると同時に、物語がリアルに感じる役割も担っていたと思いました。