溶解シリコンが次世代のエネルギーストレージになるかも

| FUTURUS
溶解シリコンが次世代のエネルギーストレージになるかも

再生可能エネルギー、特に太陽光発電や風力発電をこれまで以上に活用しようという場合、大きな課題のひとつとして、その供給の不安定さが挙げられる。発電量が天候に左右されてしまうからだ。そうなると、余剰電力が生じた時にそれをなんらかの形で貯蔵しておき、電力が不足するときに補ってやる技術が必要になる。

そのような『エネルギー・ストレージ』の技術が要求されるなか、地球の地殻のなかでもっとも豊富な物質であるシリコンを使って、安価に、それでいて従来の10倍ものエネルギーの貯蔵を可能にする技術をマドリッド工科大学の研究チームが発表した。同大学のウェブサイトで紹介されている。

source:http://www.upm.es/internacional/UPM/UPM_Channel/News/de6cc416ade97510VgnVCM10000009c7648aRCRD

シリコンを1400度に加熱

冒頭にも書いたような自然エネルギーの性質から、エネルギー貯蔵技術の開発は、いま世界中で盛んに行われている。そのうちの一部はテスト段階まで進んで来ているし、なかには商業化の段階にまで来ているものもある。それらの技術の中には、太陽熱を使って塩を溶かし、エネルギーを貯蔵するという手法がある。

しかし、その溶解塩を使った手法は、コストや安全の問題、また将来的な材料資源の枯渇など、いくつもの問題を抱えている。そこで、より低コストで豊富な資源を使用し、危険性も低い手法がないものかと、世界各地で研究されている。

そして、マドリッド工科大学太陽エネルギー研究所のチームが開発したのは、太陽エネルギーあるいは再生可能エネルギーによる余剰電力を使って、シリコンを溶解させ、摂氏1400度にまで熱してエネルギーを貯蔵しようという手法だ。

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