小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(11)「クールビズ」は流行語に

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小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(11)「クールビズ」は流行語に

 一方、小池は、ネーミング選定の段階から多くの人を巻き込もうと考え、「夏の新しいビジネス・スタイル」をテーマに地球温暖化防止キャンペーンの名称を公募した。ハガキやメールで約3200件もの応募が寄せられた。

 選考の際、小池は、ただ1点だけ注文をつけた。

「『クール』という言葉だけは入れたい」

 クール(COOL)には、「涼しい」の他に「格好いい」という意味がある。

「涼しくて、格好いい」

 これこそ、小池の思い描いていたイメージであり、最大の戦略でもあった。

 選考の結果、「クール」と仕事や職業の意味を表すビジネスの短縮形の「ビズ」を合わせた造語、「クールビズ」に決まった。

 6月1日、「夏の軽装運動(クールビズ)」のスタートと同時に、小泉純一郎総理自らが沖縄のかりゆしを着用して、マスコミの前に登場してみせた。

「かりゆしウェアです。いいでしょ。ネクタイをしないだけで楽だね」

 6月5日、「愛・地球博」会場内のEXPOドームで「COOL BIZ COLLECTION」が開催された。

 最初に、若手社員2名がクールなスーツにノーネクタイのスタイルで登場し、続いて各社のトップが登場した。

 まず最初に、オリックスの宮内義彦会長が登場し、続いて、三越の中村胤夫会長や富士ゼロックスの宮原明相談役、三洋電機の井植敏会長、大林組の大林剛郎会長、大同特殊鋼の小澤正俊社長、中部電力の川口文夫社長、ユニーの佐々木孝治社長、昭和シェル石油の新美春之会長、東邦ガスの早川敏生会長、そして、松下電器産業の森下洋一会長が次々と登場した。普段は見ることができない各社のトップたちの姿に、会場には笑いや歓声が沸き、大盛り上がりとなった。

 そし、最後には、スペシャルゲストモデルとして、経団連会長でトヨタ自動車会長の奥田碩と、阪神タイガースのシニアディレクターだった星野仙一が登場した。それぞれ黒と白のクール・ビズスーツをまとい、舞台左右から同時にステージへ登場した。

「まるで裸のように軽い」

 奥田が感想を述べると、

「シャツ1枚で歩いている気がするくらい軽い」

 と星野も、とても気に入ったようだった。

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