小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(11)「クールビズ」は流行語に (2/2ページ)

アサ芸プラス

 最後に小池がクールビズをPRして幕を閉じた。

「ファッションをきっかけにして、ライフスタイルを見直してほしい」

 小池の戦略は大成功だった。「クールビズ」は、世の中に一大ブームを呼び起こし、この年の「新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれるほどだった。

 ファッションショーの開催から2カ月後の05年8月8日、小泉総理は衆議院を解散した。いわゆる“郵政解散”である。

 この日、小池は解散のための衆議院本会議が始まるまでの間、自民党幹部と連絡を取り合っていた。

 その幹部は、ため息まじりに言った。

「(造反組の)選挙区が、いっぱい空いてしまう。それを埋めるのは、大変だよ。あなたみたいな人が、どこかから出てくれないかな」

 小泉総理は、郵政民営化関連法案の衆議院採決で反対した37人を公認しない方針を示していた。

 幹部は続けた。

「あ、そうか、あなたは今回、兵庫から小選挙区で出るんだったよね」

 阪上善秀とコスタリカ方式を取る小池は、前回の総選挙では比例に回った。今回は、小池が兵庫6区から立候補する番であった。

 話はそこで終わったが、この夜、小池はいろいろと考えた。

〈下手すれば、民主党が勝ち、政権交代が起こるかもしれない。そうなれば、これまでやってきたことが、根幹からひっくり返ってしまう。そうさせてはいけない〉

 小池は覚悟を決めた。

〈私自身が反対派の対立候補として起爆剤になろう。そうすることで、国民の共感を呼ぶことになるかもしれない〉

大下英治(作家):1944年、広島県生まれ。政治・経済・芸能と幅広いドキュメント小説をメインに執筆、テレビのコメンテーターとしても活躍中。政治家に関する書籍も数多く手がけており、最新刊は「挑戦 小池百合子伝」(河出書房新社)。

「小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(11)「クールビズ」は流行語に」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 12/8号大下英治小池百合子クールビズ小泉純一郎社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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