後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(3)<壮絶エピソード編>「蛇にピアス」決定翌日に顔の皮が剥がれた吉高由里子

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後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(3)<壮絶エピソード編>「蛇にピアス」決定翌日に顔の皮が剥がれた吉高由里子

 真の女優とは、選ばれた者しか名乗れない苛烈な職業である。スクリーンの華麗な姿だけではわからない「壮絶な役作り」がそこにはあった!

 女優の凄味を表す古典的なエピソードといえば、田中絹代(享年67)の「楢山節考」(58年、松竹)だろう。姥捨て山をテーマにした作品で、田中は「石で歯を折る」という有名なシーンのため、前歯を何本か抜いて撮影に臨んでいる。

 そして21世紀も、女優たちの覚悟は継承されている。吉高由里子(28)の初主演作「蛇にピアス」(08年、ギャガ)は、オールヌードが話題になりヒットしたが、主演に決まった翌日に交通事故にあい、ICUに5日間も閉じ込められる重傷を負った。

〈顔からジャリジャリ音がするので気になって気になって。そしたら今度は血も流れてきた。看護師さんには「鏡を見せてください」って言うと「鏡はないです」と〉

 後日、吉高が振り返った言葉である。夜中にこっそり匍匐前進でトイレに行き、顔の包帯を取ると──、

〈皮膚がぜんぶ剥がれ、かさぶたに覆われた自分の顔。ICUで多くの死を目の当たりにした時、次は私が死ぬのかもと思った〉

 そこから強烈に「生きたい!」という思いが芽生え、全治半年のはずが1カ月半で退院。初主演作をキャンセルすることなく今に至っている。

 さて、新旧の「失神エピソード」を並べてみたい。永遠のマドンナである吉永小百合(71)はデビュー当時、「大丈夫の小百合ちゃん」と呼ばれていた。どんな撮影でも常に「大丈夫です」と答えたからだが、それを超えてしまったのが「ガラスの中の少女」(60年、日活)だった。

 共演の浜田光夫がこう語っている。

「湖で心中して、小百合ちゃんが湖面に浮かぶシーンを撮りたいと監督が聞いたら『大丈夫です』と。10月の寒い時期だったけど、小百合ちゃんは、まばたきもせず浮かんでいた。そして『カット!』の声がかかっても上がって来ない。

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