アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.14(1)矢沢永吉「35億円詐欺事件」全真相

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アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.14(1)矢沢永吉「35億円詐欺事件」全真相

 世界に冠たる日本の天才アーティストのふたりが堕ちた「巨額詐欺事件」が、平成ニッポンの芸能界を襲った──。矢沢永吉と小室哲哉。かたや35億円巨額資金をダマしとられた“ハメられた側”と、こなた「5億円詐欺師」に転落して“ハメようとした側”。しかもその裏で、ヤクザが絡む事件にも発展して…アサヒ芸能がスッパ抜いた平成の爆弾スキャンダルをお届けしよう。

 ロック界の大御所である矢沢永吉を襲った「35億円の巨額詐欺事件」。その第一報をスッパ抜いたのはアサヒ芸能だった。98年7月2日号のことである。この事件は2週連続で報道し、大きな波紋を呼んだ。

 きっかけは、矢沢周辺のある事情通から、

〈「あの矢沢永吉が手がけていた不動産投資にトラブルが発生したらしい」〉

 と、タレコミ情報が編集部に寄せられたのがきっかけだった。

「世界の矢沢」は、いったいどんな罠に堕ちたのか──。

 事件の概要を当時の誌面から振り返ってみよう。

〈オーストラリアの高級保養地・ゴールドコーストで矢沢のプロジェクトがスタートしたのは1987年のこと。「音楽を通じていろんなことにチャレンジできる場所を作ろう」(矢沢)と、仲間内で盛り上がったのがきっかけだったという。

 そして、当時の一等地、サーファーズパラダイス地区の一角に、レコーディングスタジオや音楽スクールなどが入った24階建の高層ビルを建設する計画に着手したのだ〉(7月9日号)

 矢沢とともに現地責任者として現地法人「カムストック・コーポレーション」を設立したのは日本人男性H・K氏(当時=49)だった。

 敷地1万平方メートルを20億円で、同内ビルを約11億円で購入。プロジェクト資金として約4億円を提供した。そして建物を取り壊し跡地に新ビル建設をする計画だった。

 この現地責任者の素性について、

〈「日本の酒造メーカーの現地法人をやっていたそうですが、以前から矢沢の知り合いだったらしく矢沢から請われる形で、仕事を引き受けたようです。

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