アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.14(1)矢沢永吉「35億円詐欺事件」全真相 (2/2ページ)

アサ芸プラス

(中略)現地スタッフや何人かの日本の事務所関係者が建設計画にかかわっていますが」〉

 実際上の業務はすべて当時49歳の男が仕切っていた。

 そして、この投資案件の物件を、矢沢は、まんまとこの男に騙し取られてしまったというわけである。

 詐欺事件発覚後、直撃取材に、事務所の当時の担当マネジャーはこう説明していた。

〈「現地から定期的に送られてくる報告書に不審な点があったため、現地調査にいったんです。すると、H氏たちが数年前、現地法人が購入した土地や建物を無断で担保にして銀行融資を受け、それが返済できずに差し押さえられて、第三者に売却されていることが判明したんです」〉

 土地や建物のみならず10年以上にわたって投資してきた35億円以上の巨額資金が忽然と消えてしまった事件だった。

 事実を知った矢沢側は、同年3月にオーストラリア証券監視委員会(ASC)に、被害総額35億円の詐欺・横領事件として告訴した。

 そして、矢沢本人は、この事件に関して、

〈「現地の最高責任者である人物(H・K氏)の背任・横領」と断定して、正式に文書でコメントをこう発表した。

「この人物に関してましては僕が心から信頼しいましただけに、大変な憤りと悔しさを感じております。(中略)とくにかく、今の僕の気持ちは、1日も早い事件の全容解明を望んでおります」〉

 もっとも、この事件発覚後の矢沢は一時ショックに陥ったが、テレビやCM出演などそれまで以上に精力的に仕事をこなし、6年後には借金を完済する“オチ”までついた事件だった。

 どん底の逆境から見事に復活を遂げたことで、逆にまたひとつ矢沢伝説は創られたと言える。

 おまけに都内某所には15億円超の大豪邸を建設したというから仰天のBIGぶりである。

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