大航海時代に栄華を極めたポルトガルの首都リスボン。「7つの丘の街」の異名をとるほど起伏の多い土地に、情緒ある街並みが広がっています。
リスボンのなかで最も古い街並みが見られるのが「アルファマ」と呼ばれる地区。この界隈は、1755年のリスボン大地震の被害をあまり受けなかったため、かつてのイスラム支配の面影をとどめる街並みを残しています。
そんなアルファマ地区の風景を美しく引き立てているのが、丸いドームが印象的な「サンタ・エングラシア教会」。白亜の外観がリスボンの青空に映え、優雅な存在感を放っています。
サンタ・エングラシア教会は17世紀に着工、20世紀半ばに中央のドームが付け加えられ、1966年に完成を見ました。一時未完のまま放置されたこともあって、建設に300年以上を要したのです。
そのため、なかなか終わらないことの例えとして使われるようになり、ポルトガルでは「サンタ・エングラシアのようにきりがない」という表現があるほどです。
1966年、サンタ・エングラシア教会は、国立のパンテオン(霊廟)に指定されました。作家ジョアン・デ・デウス、国民的ファド歌手アマリア・ロドリゲスといった、ポルトガル史を彩った人物が埋葬されているほか、エンリケ航海王子やヴァスコ・ダ・ガマといった英雄たちの記念碑が置かれています。
内部の壁と床は、バロック様式の大理石装飾で彩られています。