秋津壽男“どっち?”の健康学「環境の変化で体重が大きく増減…。急激な5キロ以上の減少は要注意を」

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秋津壽男“どっち?”の健康学「環境の変化で体重が大きく増減…。急激な5キロ以上の減少は要注意を」

 先日、移動中のタクシーの車内で、運転手さんと会話が弾みました。「ホテルを辞めてドライバーになり、3カ月たつ」そうですが、仕事が楽しくてしかたないとのこと。「座りっぱなしなので3キロ太りました」と笑っていました。

 タクシー運転手という仕事は「運転が好き」「人と接することが好き」な人には向いているとのことで、「私には合っています」と、うれしそうでした。

 また「この仕事が合う人は太りますが、合わない人は痩せるんです」とも語っていましたが、ここで問題です。

 環境の変化で、急に太るのと急に痩せるのとでは、どちらが健康面で危険でしょうか。

 まず太った場合、仕事が楽しくて居心地がよく、結果メタボになって心臓病のリスクを抱えることが懸念されます。一方、痩せた場合はストレスが原因で、忙しすぎる・気を遣いすぎるなどから胃腸の調子が悪くなり、悪くすると胃潰瘍を患ったり胃ガンを抱えるかもしれません。

 太ると脳梗塞や心筋梗塞、痩せるとガンのリスクが高まりますので、どちらも怖いのが正直なところです。

 ただし、転職直後は環境や生活習慣が変わるため、痩せるのは誰でもあること。1年2年と時間がたつにつれ痩せ細っていくようだと心配ですが、新たな環境に順応するとともに元に戻るなら正常の体重変化。正しい適応反応です。

 逆に太った人は、その先どんどん太る可能性があり、健康を害し続ける危険性がありますので「太るほうがより危険」だと思います。

 よく「ストレスから食べすぎて太った」という人がいます。これは「俺だけどうしてこんなに仕事が多いんだ」「やってもやっても終わらない」などと、不安やジレンマをごまかそうとする行為。つまり脳が感じたストレスを食べることでごまかすわけですが、こうした太り方は「ストレスが増える」「体重も増える」で、心身ともに悪影響です。

 痩せるのはある程度で止まるものの、太るのは歯止めが利かなくなる危険性すらあります。

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