秋津壽男“どっち?”の健康学「環境の変化で体重が大きく増減…。急激な5キロ以上の減少は要注意を」 (2/2ページ)

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 数字で考えると、1~2キロ痩せるのは大丈夫ですが5キロを超えると黄信号。胃潰瘍や胃ガンのリスクを心配してください。逆に太る場合5キロぐらいはザラですが、7~8キロから10キロと太るにつれて脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

 ストレスで痩せた場合、大便の色を注視してください。胃ガンや胃潰瘍、十二指腸潰瘍になると真っ黒な便が出てきます。イカスミのようなうんちが出たら胃の病気ですので、すぐさま病院へ行くこと。これは「嘔吐して血を吐いた」「血痰が出た」と同じぐらい、怖い症状です。

 ストレスという点で考えると、神経質な人は転職後や環境の変化で痩せることが多いようです。上司や周囲との人間関係に必要以上に過敏になり、考えなくてもいいことで悩んでしまう結果、食が進まずに痩せる、というケースが見られます。人間関係という視点で考えると、自分が悩むほど相手は気にしていないことも多いので、必要以上に気を遣いすぎないことです。

 冒頭の運転手さんは、

「私は人間関係で嫌なことがあり、タクシーに転職しました。この仕事、車庫を出てしまえば一人で、ましてやお客さんは一見さんです。人間関係で悩むことはほとんどありません。普通の職場は上司に気を遣いますが、タクシー業界ですと“あのバカヤロウ”などとドライバーたちは上司の悪口で盛り上がっています」

 と笑っていました。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「環境の変化で体重が大きく増減…。急激な5キロ以上の減少は要注意を」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2017年 2/16号“どっち?”の健康学秋津壽男メタボストレスカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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