【プロ野球】初めて手にした自由? 完全復活に懸ける鳥谷敬が過ごした「周りに支えられて」のキャンプ

鳥谷敬が過ごした「周りに支えられて」のキャンプ

 今年ほど話題が豊富な阪神のキャンプは過去にはなかったのではないだろうか。

 キャンプ初日から故障で出遅れたものの、第4クールのフリーバッティングでは格の違いを見せつけた糸井嘉男。

 実戦でなかなかヒットが出ず、金本知憲監督をやきもきさせたが、2月22日の紅白戦でようやくマルチ安打を放ったドラ1・大山悠輔。

 4番候補として来日するもサク越えがほとんどなく、おまけに胃腸炎で早々に離脱と、未だ不安要素を残すキャンベル。

 連日WBC使用球で投げ込み、練習試合ではWBC仕様のマウンドと特別待遇を受け、皆の期待を一身に背負う藤浪晋太郎。

 そして昨シーズン、「超変革」でチャンスをつかみ、台頭を表した若虎たちなど、話題は尽きない。

 ただそのなかにあって、昨シーズン、嫌というほど騒がれ、絶不調で1年を終えた鳥谷敬は周りに惑わされず、マイペースで調整しているように見える。

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■鳥谷敬がサプライズで登場した粋な演出

 このキャンプで鳥谷が唯一脚光を浴びた場面といえば、2月8日の紅白戦だろう。

 この日、スタメンには名を連ねていなかった鳥谷だったが、サプライズで9番・指名打者として登場。藤浪からライトにクリーンヒットを放ったのだ。

 「9番指名打者、鳥谷」とアナウンスされた瞬間、場内は万雷の拍手につつまれ、快音を残して鋭いライナー性の打球が飛ぶと、観客はどよめいた。

 ただの紅白戦。しかも1打席の出来事ではあるが、昨シーズンの鳥谷の苦悩を感じとったファンの多くが、復活を期待しているのがわかるシーンだった。

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