約9万人が阿鼻叫喚 実は子会社「自由自在」も同時に営業停止
格安旅行大手の「てるみくらぶ」(本社・東京都)が破産となった。
ネットではツアーが安すぎること、韓国旅行の現地でホテルキャンセルを受けたことが面白おかしく報道されその影響も軽く見られているが、実は同社は2015年9月期は130億円、2016年9月期は195億円の売上がある創業18年の業界ではそれなりの立場。東京本社のほか大阪、名古屋、福岡、札幌に支店があり、ビーチリゾート全般に強く、現地法人もハワイ・グアム・韓国・台湾(持株会社である「てるみくらぶHD」には他にセブ・ベトナムも表記あり)とかなりの数にのぼる。子会社に一部地区を専門とする「自由自在」があった。
ツアーは「てるみくらぶ」ロゴの入ったラッピングバスが使用され、安価なぶん送客数は多かった。また近年はマスコミの露出も活発で、テレビではBS12「ハワイに恋して」のメインスポンサーとなっていた(番組は3月で打ち切り)。同社はネットのツアー比較サイトや新聞広告でも大規模に集客しており、学生から年配者まで幅広く利用されていたのも特徴だ。価格を理由に買っていると思われがちがだ、同社はチャーター便も出しており、HPでは在庫を3~9くらいの範囲内で小出しにするため、他で売り切れる繁忙期でも取れるということもあり、被害者以外にも普段の利用者はかなり多いと見られている。
同社は約151億円の負債、うち個人分約99億。契約数約3万6000人、最大約9万人の被害とも報道される(数値は報道社により若干の開きがある)が、ゴールデンウィーク・夏休み・海外挙式・社員旅行など幅広く予約の入っているこの時期の破たんで顧客も業界も大混乱となっている。
万が一の弁済業務補償金も明確に不足、1億2千万円代と言われており、せいぜい1%程度。そのため現金振込の個人顧客は完全補償については諦めざるを得ないだろう。だがJATAに申請を行うよう「てるみくらぶ」のHPにも指示が出ている。クレジットカード決済については会社によって対応が分かれるが、未決済の場合「停止抗弁」で対抗することができる。しかしこれらの申請は割賦販売法の規制によるもので、本来一括払いは対象外。