4月18日現在、広島は12勝3敗1分で、2位に2.5ゲーム差をつけ首位に立っている。
開幕戦こそ落としたものの、2戦目からは引き分けを挟み破竹の10連勝を決めた。25年ぶりのリーグ優勝をした昨シーズンの勢いそのまま、今シーズンも突っ走りそうな快進撃だ。
この好調さに広島ファンは満悦。多くのファンは強すぎる広島の戦いぶりに早くも連覇を確信し、にわかに浮かれ気味だ。
しかし、なかには手放しに喜べず、不安を感じているファンもいる……。そんなファンが抱える不安とはいったい何か?
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■優勝の原動力を失った!?
昨シーズンの優勝の大きな原動力となったのは中崎翔太、今村猛、ジャクソンからなる強固な救援陣だ。
しかし、その救援陣に異変が起きている。若手先発陣の活躍や、劇的な逆転劇の陰に隠れてさほど目立たないが、今、救援陣は危機的な状況にある。クローザーの中崎が脇腹の負傷で離脱。抑えの大黒柱を失い、暗雲が立ち込めている。
中崎不在のなか、最も頼りとされるのはセットアッパーのジャクソンだ。しかし、失点こそしていないものの、完璧ともいえた昨シーズンに比べると、今シーズンはやや安定感を欠いている。
昨シーズンは被安打率.167とほぼヒットを許さなかった。しかし、今シーズンはここまで被安打率.347と「打たれすぎ」な感は否めない。また、昨シーズンは1イニングあたり1.02人の出塁で抑えていたが、今シーズンは1.72人。ランナーを背負うケースが多くなっている。
盤石だった救援陣のほころびは大きな不安要素だ。
さらに、中崎不在の余波で、ケガから復活した中田廉、薮田和樹への負担が増加。後半で息切れが懸念される。
「現代野球」を制するには、救援陣の活躍が必要不可欠。この危機的状況を解決しない限り、不安はつきまとう。
■打線は水物?
今シーズンの広島は、強力な打線にものをいわせた劇的な逆転勝利を何度も収めている。相手にプレッシャーを与え、ミスにつけ込み、集中砲火を浴びせる様は容赦がない。
相手のミスを突破口にする攻撃は「責任追及打線」と呼ばれ、他球団ファンを震え上がらせている。
しかし、「打線は水物」という言葉あるように、打線の調子は大きく上下動する。それだけに、今の好調は一過性のものなのでは? と、そんな見方もできる。
先の連勝は打力に頼っていたところも大きいだけに、打撃陣の歯車が狂いだすと……。
かつて、多くのチームが失速をしていったのを目の当たりにしただけに、「主力の打者達の調子が落ちたら、ケガでもしたら……」と、不安にかられるのだ。