【プロ野球】中崎翔太の不在。ジャクソンの安定感欠如…。絶好調の陰で広島ファンを襲う連覇への不安 (2/2ページ)
■忘れ得ぬ惨劇。ノーモア・メークドラマ
広島ファンにとって、忘れ得ぬ屈辱と恐怖がある。1996年、最大11.5ゲーム差をひっくり返され巨人に逆転優勝された一件、俗にいう「メークドラマ」だ。
長い低迷期を経験し、すっかりネガティブ気質が身についてしまった広島ファンは、広島が先頭を走れば走るほど1996年の惨劇を思い起こしてしまう。
今なおトラウマとして抱える悲劇を2度と経験したくない。そんな恐怖心が強すぎるため、広島が首位を快走すると「メークドラマ」をささやく声がどこからともなく聞こえてくるのだ。
昨シーズンもそうだった。散々「メークドラマ」が口の端に上った。しかし、それをはねのけて優勝した。それでもなお、呪縛はとけないでいる。それほど心に深く刻まれた悲劇だったのだ……。
この呪縛をとくには圧倒的な連覇を果たすしかない。
ついネガティブになりがちな広島ファン。しかし、エースのジョンソンとクローザーの中崎を欠いた状態で10連勝を達成したことを忘れてはいけない。これは広島の地力がついたことの裏づけだ。
実績のある両投手が万全で戻ってきたならば、さらに戦力は上積みされる。そう考えたら、少なからず安心できそうだ。
不安になっている広島ファンの皆さん。今シーズンもカープは強い! 「メークドラマ」はもう忘れてしまいましょう!
(成績は4月18日現在)
文=井上智博(いのうえ・ともひろ)