「ラストチャンス」。W杯出場へ、知念雄が「余計にわかった」こととは。

| ラグビーリパブリック

 昨春初めてラグビーの日本代表に入った知念雄は、4月10日、1年ぶりにナショナルチームへ復帰した。

 前年度の秋に就任したジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチのもとでは、この春が初選出だった。現体制の強化機関であるナショナル・デベロップメント・スコッドのキャンプへは、全4回中第4回目からの参加である。欠員補充の格好だ。

 若手中心のメンバー編成で挑むアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)では、第2戦のリザーブとなって続く第3戦で先発入り。合流から1か月足らずで、スターターの座に上り詰めたこととなる。

 

 4月29日、東京・秩父宮ラグビー場であったARC第2戦。先発した須藤元樹の故障に伴い、前半10分から右PRに入った。韓国代表に80-10と快勝するなか、相手ランナーを敵陣ゴール前からインゴールへ押し込むタックルなど怪力をアピールしていた。

 それでも本人はこうだ。

「ラストチャンスです。あの試合も、ビデオで見返したら全然ダメだったので」

 5月6日に秩父宮で挑んだのは、香港代表との第3戦だった。29-17で制するも、ワールドカップ未経験の相手に2度リードを許すなど難儀した。それもあってか、ゲーム後の本人はただ反省の弁を重ねる。

「もっとイケるかと思っていたんですけど…」

 特にスクラムでは、チームの求めるスタイル通りに組めないことがあったという。

「自分のなかでの癖があって、それが必要のないものであって。こっちでやっていることとの、細かいところのすり合わせが…。いい時の回数がまだまだ。もちろん、それが100パーセントじゃないといけない」

 さらに13日のARC第4戦では、敵地の香港フットボールクラブで香港代表と再戦。後半14分から登場し、16-0という辛勝で終えた。

 日々、勉強である。第3戦の直前期のみ合流したワールドカップ経験者の堀江翔太から、感銘を受けているという。

「一緒にやっていると、コミュニケーションがわかりやすいな、と。練習中も、いろいろなところに目を配っていると感じます。例えば、ディフェンスのブレイクダウン(ボールの争奪)。

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