北朝鮮による度重なるミサイル攻撃、安倍政権による一方的な『共謀罪』の押し付け、世界各地で続発するテロ事件…。そのほかにも宗教紛争、食料危機、エネルギー問題、地球温暖化、人工知能の飛躍的発達などなど、日々のニュースに耳を傾ければ、世界は“ディストピア”(ユートピア(理想郷)とは逆の社会)、そして“ポストアポカリプス”(終末の後の世界)の予兆に溢れている。
繁栄を誇った資本主義社会にほころびが見え始めた1960年代以降、映画や漫画などのエンターテイメントメディアは人類を待ち受ける暗い未来を予測し、センセーショナルにあおってわれわれを震え上がらせた。いま、その“予言”とも言えるメッセージが現実化しつつあるのだ。
それでは、大きく3つのパターンに分け、映画のポスターやプログラムの表紙などに描かれた未来の姿を見ていこう。
最終戦争後の世界
巨大なキノコ雲が核戦争勃発の狼煙を上げる…。われわれは各メディアを通して、一体何度このシーンを見てきたことだろう。そして、さまざまな作家がその後の世界を想像して描いてきた。地上にあるものすべてが破壊された世界。それは荒涼たる世界だが、逆にユートピアに見えてしまうのは何とも皮肉なことだ。
世界大戦後の荒廃したネオ東京を舞台にしたアクション巨編。物語の背景として東京オリンピックが登場。現代とリンクする。原作者の大友克洋が監督、脚本、絵コンテを担当。