デンマークの首都・コペンハーゲンを象徴する風景が「ニューハウン」。いえ、コペンハーゲンのみならず、おとぎの国・デンマークの象徴といってもいいかもしれません。
「ニューハウン」とは、デンマーク語で「新たな港」という意味。赤や黄色に緑や青といった、色とりどりの木造家屋が建ち並ぶメルヘンチックな港町です。
「コペンハーゲンに来た!」と実感できる最高のフォトスポットだけあって、いつも多くの観光客でにぎわっています。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンが愛した場所としても知られていて、彼は通算18年をこの地区で暮らしたといいます。アンデルセンが暮らした家は現在も残っており、壁には彼の名前と来歴が記された石板が埋め込まれています。
そんな、デンマークを代表するフォトジェニックな港町・ニューハウン。実は、この町にはある秘密があります。
それは、このニューハウンが掘削によって造られた北欧最古の人工港だということ。
市街地が拡大していた国王クリスチャン5世の時代、1671年に工事が始められ、1673年に幅30~40メートル、長さ400メートルの港が完成しました。
ニューハウンが建設された場所は、海流によって海水が常時入れ替わるためにヘドロが堆積せず、年間を通じてほとんど潮位が変動しない、港の建設にふさわしい場所。当時の施工担当者が、自然条件を知り尽くしたうえでこの地点を選んだことがわかります。
開港当時のニューハウンは、運河を行きかう船が運んできた貨物が続々と荷揚げされ、活気に満ちていたといいます。同時に、長い航海を終えた船乗りたちが羽を伸ばす居酒屋街としてもにぎわっていました。