2011年の東日本大震災による福島第一原発事故は、原子力発電に依存ぎみだった日本の電力事情に大きな転換をもたらした。同時に安全、安心の再生可能エネルギーの中心として、太陽光発電が俄然注目され、急ピッチで伸びてきた。しかし、ここにきて急伸していた太陽光事業に陰りが見え倒産も増えつつあるという。
エネルギー関連関係者がこう解説する。
「震災の翌年の'12年に437万kwだった太陽光発電量は、'14年には倍近くの987万kwまで伸びた。これは国が音頭を取り各電力会社に太陽光発電を高値買い取りさせた制度(FIT)のおかげ。つまり、国民の電気料金に太陽光買い取り価格が上乗せされ高値で売れたために、太陽光関連業者はバブル状態となったのです」
この先頭を切ったのは、ソフトバンクグループだった。関連子会社SBエナジーを設立し、北海道や九州などを中心に次々とメガソーラーを建設。さらに、モンゴルや中国、韓国、インド、そして日本を視野に入れ、その国々を太陽光発電で結ぶ「アジア・スーパー・グリッド構想」も着々と進行中だという。
しかし、そうした動きを見ながら太陽光事業関係者はこう言うのだ。
「孫さんのところは規模も違うし別格ですよ。現実的には、どの太陽光業者も最近はバブルが弾けて四苦八苦。買い取り価格が毎年2円から3円下がり、設置者も減少気味で苦しい経営に陥った。国民負担の大きさを考えると、買い取り価格は今後、ますます下がるのは必至」
確かに大手信用調査会社などの調べでも、太陽光発電事業で関連企業の倒産が相次いでいる。'17年1〜6月の倒産件数は、前年同期比2.2倍の50件にものぼるという。
さらに、今年4月には改正FIT制度が新たに施行され、送電線を持つ電力会社と契約せず、認可だけを取っている発電事業者は認可取り消しの動き。そのため'17年度はさらに倒産が増加し、100件を超える可能性もあると指摘されているほどだ。
「国内ではそうした影響で勢いのあった企業が、リストラなど事業縮小で何とか生き延びようと必死です」(同)
一方、欧米でも太陽光発電企業の不況は深刻な状態となっている。
「太陽光発電の先進国・ドイツでは、かつてのトップランナー企業が次々と破綻に追い込まれている。
エネルギー買い取り価格下落で倒産続出 太陽光発電業者の苦悩と光明
2017.08.11 14:00
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