秋津壽男“どっち?”の健康学「痛みやかゆみだけではなく失明の危険も。規則正しい生活で予防も可能な目の病気」

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秋津壽男“どっち?”の健康学「痛みやかゆみだけではなく失明の危険も。規則正しい生活で予防も可能な目の病気」

 目にかゆみや痛みなどの不調を感じたことがあると思います。多くは「ものもらい」か「結膜炎」で、充血や目やにが生じるなど似た症状です。

 疲れ目やアルコールの大量摂取、寝不足続きなどの充血は、放っておいても数時間で治まります。早く治したければ温かいタオルを当てて目を休めるといいでしょう。充血を抑える目薬も販売されていますが、血管を収縮させ、赤みを抑えるだけなのでおすすめできません。

 では、ここで質問です。ものもらいと結膜炎を比べた時、どちらがより危険でしょうか。

 ものもらいの正式名称は「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と言います。まぶたの裏にある皮脂腺に炎症を起こす症状で、まれにまつ毛の毛穴が炎症を起こすケースもあります。まぶた=皮膚の病気であり、安静にしていればほとんどは自然に治ります。長引く場合は眼科で抗生物質をもらってください。

 一方、眼球とまぶたを結ぶ結膜が炎症を起こす結膜炎は、眼球の表面に症状が現れます。

 充血がなかなか取れない場合、目に入ったごみが結膜を傷つけていたり、アレルギー性結膜炎や感染性結膜炎、あるいは乾性角結膜炎(ドライアイ)の可能性があります。

 インフルエンザ菌や肺炎球菌による細菌性結膜炎や、プール熱での発熱=ウイルス性結膜炎になると、人から人へと感染することもあります。家族がかかった場合には、同じタオルを使わないようにしなければなりません。花粉症によるアレルギー性結膜炎の場合、目をかきすぎて白内障になるケースもあります。かゆくても目はかかないようにしてください。

 ものもらいは、ひどい場合でも眼科で切開すれば治りますし、他人にも移りにくい病気ですが、結膜炎は他人への感染がある分、ものもらいよりも怖い症状と言えます。

 同じ目の病気の中で、さらに結膜炎以上にやっかいとなるものがあります。眼球の黒目に当たる角膜の病気=角膜炎です。結膜と角膜はつながっており、結膜の病気を放っておいて角膜障害を起こした場合、非常に危険となります。なぜなら角膜は非常にデリケートで、一度壊れると二度と再生しないからです。

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