PCTハイカーがスルーハイク後にコテージ・マニュファクチャラー(ガレージ・ブランド)を立ち上げるというのはよく聞く話ですが、2014年にスタートアップしたばかりの Uphill Designs のプロダクトは、そんなブランドヒストリーから想像されるものとは、かなり違います。なにせ彼らのザックは、
ワックスド・キャンバスやレザーや真鍮など、ほとんど天然素材から作られているのです。
ULザックは、そのシンプルさゆえに、よく「いにしえのキスリングザックに先祖還りした」などともいわれますが、本当にキスリングザックに先祖還りしたかのようなULザックが登場してくるとは思いもよりませんでした。
ともあれ、これはいまをときめくポートランドが発信するデザインがクラシカルなアメリカン・スタイルに回帰していたり、同じく西海岸バイクカルチャーでもクロモリのハンドビルド・バイクや Swift Indutries に代表されるランドナー文化を現代にアップデートしたようなスタイルが盛り上がりを見せているのと、基本的には同じ背景から登場してきたものではないでしょうか。
実際、Uphill Designs はポートランドとは同じ文化圏であり、Swift Indutries の拠点でもあるシアトルのブランドですし、パシフィック・ノース・ウエストに住む、オーガニックフードや自家焙煎コーヒーやローカルクラフト・ビールを好む若者たちの指向が、このような「ネオ・クラシカル」とでもいうべき路線に向かっているのかもしれません。