歌手・タレントで美人女優の北川景子と結婚したDAIGOの祖父が、竹下登である。
政界では、「目配り、気配り、カネ配りの竹下さん」の“異名”があった。ために、したたかさでは定評があったが敵は少なく、これが災いした形で田中派の大幹部だったにもかかわらず、天下取りが遅れている。怖いモノなしだった「大親分」田中角栄からすれば、竹下がかく出来物だっただけに、いつ寝首をかかれるか、頭脳明晰の“近親憎悪”も手伝い、警戒、遠ざけられたことが側面にあったということである。
しかし、一方でこの竹下は田中角栄の「父性型」の強力なリーダーシップとは異なり、「母性型」の、それとは何かなどの「人生訓」を世に多々残したという点で、戦後総理の中で有数の人物だったと言える。
竹下の「母性型」リーダーシップの特徴は、徹底した周囲への「気配り」、「我慢(辛抱)」、「自己喧伝一切なし」「万事にマメ」の四つに集約できる。
まずは、「気配り」の凄さである。選挙資金に悲鳴を挙げる中堅、若手の部下にそれとなくカネの面倒をみてやる、ポストに不満を抱えた部下には、どこかの人事で必ず補填してやって不満を残させないなどのほか、竹下と親しかった政治部記者の次のような証言が残っている。
「夜遅く竹下が私邸に帰ると、若いお手伝いさんたちが出迎える。そうした際、必ず竹下の口から出るのは『いやいや、すまんな。もう休みなさい』というものだった。一方で、直子夫人に対しても同様だった。夫妻の寝室は2階にあったが、竹下は夜中にトイレに立つとき、わざわざ階下のトイレまで降りていく。水洗の水音で、夫人が目を覚まさないかの気遣いなんです。こうした“竹下流”は、気配りの極致と言っていいのではないか」
一方で、竹下が出世の階段を登れたのは、「ジジ殺し」にあった。若き日の竹下は長老議員のもとを、ヒマがあればよく顔を出していた。これについては、元田中派議員のこんな証言が残っている。
「竹下は自分に時間の余裕があるときは、よく議員会館を歩いて回っていたといいます。すでに“一丁上がり”となっている長老議員の部屋を覗いては、ひとしきり政治談義や雑談をして帰ってくる。長老議員ともなれば、若い議員などは遠慮も手伝ってあまり近寄って来ない。
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 竹下登・直子夫人(上)
2018.01.22 08:00
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