オリンピックは将来「アジアの持ち回り」になる!?

| まいじつ
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平昌五輪のスピードスケート女子500メートルで金メダルに輝いた小平奈緒選手の所属先は、長野県松本市にある地域医療を担う総合病院の『相澤病院』だ。同病院の小平への援助費は年間で1000万円に達する。

同じく平昌五輪でアルペンスキー女子大回転に出場した石川晴菜選手も、石川県金沢市にある『木島病院』に所属している。2016年から病院の受付事務の仕事をしながらトレーニングに励み、五輪代表の座を掴み取った。しかしながら、所属先の病院は所属選手がメダルを取ったとしても、経営面のメリットはあまりないだろう。

「冬季競技は華やかなフィギュアスケートを除いて、五輪のときくらいしか注目されない競技が多く、選手をサポートしても広告効果はほとんど見込めないため、受け入れる企業や活動資金を援助しようとするスポンサーは少ないのが実情です。冬季競技の選手の多くは、トレーニングとは別に生活の基盤となる所属企業やスポンサー探しをおこないながら競技を続けているのです」(スポーツライター)

今回の平昌五輪でにわかに存在感を増した選手の所属先がある。住宅メーカーの木下工務店などを傘下に持つ『木下グループ』だ。今大会には7名の所属選手が出場したため、見覚えのある人もいることだろう。スノーボード男子ハーフパイプで2度の金メダルを獲得したことのあるショーン・ホワイトと最後まで争い、惜しくも銀メダルに終わった平野歩夢、フィギュアスケート女子シングルの宮原知子、ペアの木原龍一と須崎海羽、アイスダンスのクリス・リードと村元哉中だ。

欧米諸国は五輪招致に及び腰?

ところで、資金不足は選手だけではない。五輪自体がそうだ。何より主催する世界の大都市が、資金繰りを考えて五輪招致に及び腰になっている。五輪の将来は大丈夫なのか。

「アジアでは、欧米とは対照的に五輪招致に手を挙げる都市はまだ多くあります。2022年の北京冬季五輪まで、五輪は2大会連続でアジアで開催され、2026年の冬季五輪は札幌が招致を目指しています。

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