天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 橋本龍太郎・久美子夫人(中)

| 週刊実話

 映画会社・東宝から第1期ニューフェースに誘われ、『若大将シリーズ』で人気のあった加山雄三と同期の俳優になっていたかもしれない橋本龍太郎は、代議士になる頃から「女性人気」が抜群だった。美男子のうえに髪をヘア・クリームでベットリ固めた姿は、貴公子然、周囲の女性が我を忘れるのは言うまでもなかった。

 その橋本は選挙に抜群に強かった。理由は大きく二つあった。一つは、妻の久美子がほとんど東京住まいの橋本に代わって選挙区の岡山に住み、地元後援会をキッチリまとめあげる手腕があったこと。二つ目は、美男子の橋本に地元の女性が圧倒的にマイッてしまったことであった。久美子の手腕については、地元記者のこんな証言が残っている。
 「ざっくばらん、気取ったところが一つとしてなく、かつ周囲への気配りが抜群に利いていた。スピーチをしても、そっくり返っているような橋本とは大違いで、断然、夫人のほうがウケた」

 久美子のざっくばらんのスピーチには、じつはこんな“失敗”もあった。大分県で講演に招かれた折、週刊誌に「下ネタ大爆笑」とスッパ抜かれたのである。話の経緯は、こうであった。
 橋本の選挙の際に、それこそ昼食抜きで朝から晩まで歩き続ける体験に触れたあと、「こうすると身体のシェイプ・アップになるし、お産で緩んだアソコも締まりがよくなります!」とやってしまったのだった。
 もとより、代議士夫人によるこの手の話は大ウケだったが、サービスのつもりでしゃべったことがアダになったということだった。自民党の中からも「やりすぎ」の声が出た。しかし、当時、幹事長代理だった野中広務などは、「これはスゴイ。画期的なデキゴトだ」と妙な感心をもたれ、コトなきを得たのだった。

 一方、選挙の際の橋本の「女性人気」は、なんとも凄まじかったらしい。いまの小泉進次郎を遥かに上回るそれだったことが彷彿させる。前出の地元記者の証言の続きである。
 「街頭演説をやると、集まるのは大半が女性、それも若い女性が圧倒的だった。まさに“若武者”登場といったフンイキで、握手してもらって腰の抜けた女性もいたし、ホントに失神した女性もいた。女性の聴衆は、話なんて聞いていません。顔を見ているだけという感じがあった。“顔見世興行”だけで、橋本本人としては十分だったというワケです。

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