まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

| まいじつ
まるでSFディストピア!少年漫画雑誌が伝えた1970年代「日本の公害」の惨状

今年も光化学スモッグ注意報が発令される季節になった。日本が相次ぐ公害問題で混乱を招いていた時代から、もうすぐ半世紀。今の若者は中国の深刻な環境汚染を見て眉をひそめるかもしれないが、かつての日本は公害大国だったのだ。

今ほどジャーナリズムが衰えていなかった1970年代、各メディアは一斉に公害問題を取り上げ、糾弾した。そのころ、急発展した週刊少年漫画雑誌も例外ではなかった。特に公害問題に熱心だったのが『少年サンデー』で、今見るとマンガ雑誌とは思えぬほど硬派な記事を掲載していた。

この頃の少年サンデーは、150万部を突破した『少年マガジン』の影響受け、意欲的な記事を連発。このショッキングな表紙に当時の子供読者は驚いたことだろう。

1970年、光化学スモッグが東京で初めて確認され、ガスマスクを装着した人々が自動車で混み合う道路を、抗議するかのように練り歩く――この写真は、少年サンデー編集部の企画だ。

泡だらけとなった多摩川の都水道局の取入口付近。これを見たら水がまずくなったように感じたはず。水道の蛇口をあしらったデザインが秀逸だ。

また、少年サンデー編集部は読者投稿による写真を掲載。メディアと読者の連体はこの時代によく見られた手法だ。上の画像は、何千と浮かび上がった奈良県の養殖場の鯉。近くの工場からの廃液により一夜で全滅した。

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