武士の肝試し:幽霊なんか怖くない?頼光四天王「平季武」の肝試しエピソード(上)

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武士の肝試し:幽霊なんか怖くない?頼光四天王「平季武」の肝試しエピソード(上)

プロローグ・武士たちの肝試し

夏の夜と言えば、怪談や肝試し。背筋がゾッと冷えて、暑気払いにもってこいの娯楽ですが、昔の人たちも怪談や肝試しに興じていました。

今回は『今昔物語集』より、武士たちの肝試しエピソードを紹介させて頂きます。

ある川の渡に、産女の幽霊が出るそうな……

時は平安、源頼光(みなもと の よりみつ)が国守(くにのかみ/こくしゅ)として美濃国(現:岐阜県南部)に赴任した時のこと。

ある晩、寝ずの番で集まっていた家来たちが退屈しのぎに物語などしていましたが、その中で、こんな話が出てきました。

「ある川の渡(わたり。川を渡りやすい浅瀬)に『産女(うぶめ)』の幽霊が出るそうな。夜に川を渡ろうとすると、泣いている赤子を抱いて現れ『この子を抱きなさい、抱きなさい』と呼びかけてくるんだ」

原文「其ノ国ニ渡ト云(い)フ所二産女有(あん)ナリ。夜二成テ、其ノ渡為(わたり す)ル人有レバ、産女、児(ちご)ヲ哭(なか)セテ、「此レ抱ゝケ(これいだけ、これいだけ)」ト云(いう)ナル。

……なかなか薄気味悪い光景が脳裏をよぎったか、一同は背筋を震わせます。

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