4番が岡野季樹、5番が藤田純平。192センチと177センチ。(撮影/松本かおり)
汗とは違うものが背番号4の頬を伝った。
試合には負けた。
だけど叶った夢があった。
他の部活から人を呼んで15人を揃えるのがやっとだった高校時代。茨城の県立校から中大に入学し、3年生になってやっとAチームに入った2人がLOでコンビを組み、公式戦に出場した。
9月24日、中大は流経大に7-29と逆転負けを喫した(関東大学リーグ戦1部)。
その試合にLOとして先発した中大の岡野季樹(としき)と藤田純平は、ともに80分ピッチに立ち続けた。
岡野は192センチ。藤田は177センチ。凸凹コンビだった。
ともに茨城県立日立一高から入学した3年生。ふたりとも高校入学後にラグビーを始めた。
岡野は日立市の隣、高萩市の出身。「高校では新しいスポーツをやってみたい」とラグビー部の練習に足を運び、その雰囲気に惹かれて入部を決めた。そのクラブが、以前は何度(5回)も花園に出場し、日本代表選手(吉野俊郎さん/早大→サントリー)を輩出したことなんて知らなかった。
高校3年間は毎年、15人ギリギリの部員数で試合に臨んだ。
長身ゆえ、3年時には高校日本代表候補のリストに名前が載ったことがあるが(当時の体重は84キロ)、全国大会は遠かった。