ひとつの夢、叶った。岡野季樹、藤田純平(日立一高→中大)の友情。 (2/3ページ)

ラグビーリパブリック

 日立一高OBで、中大ラグビー部で松田雄監督の1学年上にあたる野田浩太郞さんの紹介により縁が生まれ、中大への進学が決まる。しかし、入学後は周囲の選手たちとのレベルの違いに圧倒される日々を過ごした。

「全員、自分よりセンスがある人ばかりでした。自分はLOしかやったことがない。ラインアウトとサポートプレーしかできない。何かひとつずつでも、自分が勝てるものを見つけていくような感じで、ここまで過ごしてきました」

 3年生になっても春はAチームに入れなかった。でも、昨季より自分の役割が明確になったから、その責任を果たそうと必死でやったら「夏合宿で少しずつ認められた気がしました」。

 今季開幕の法大戦でリザーブ入り。後半8分からの途中出場でAチームデビューを果たす。先発で出場していた藤田は後半20分で退いたから、ともにピッチに立てたのは僅か12分だった。

 その日から8日経って、流経大戦で岡野と藤田は4番、5番に並び、揃って80分プレーし続けた。

「(開幕の)法政戦は後半に崩れたので、そこを改善しようと話して臨んだ試合でしたが、また同じ結果になってしまいました」

 消え入るような声で、試合をそう振り返った岡野の目が潤んだのは、地方県立高から強豪校に入学した同期ふたりがコンビを組んだことについて感想を求めたときだった。

「ひとつの夢でした。目標としていたことが、ひとつ叶いました」

 近年、日立一高は県の上位に食い込むようになった。そんな後輩たちの頑張りに刺激をもらっているというLOは、自分たちの動向が後輩たちの励みになれば嬉しいと話した。

 おとなしい岡野とは反対に、藤田は試合を通して大声を発するなど、闘志を表に出す男だ。この日も仲間を鼓舞する声、指示の声を出し続けた。

「(声は)自分の武器のひとつなので。楽しく、明るい雰囲気でプレーしたい。暗くて勝つ試合はないと思っています」

 普段はFLでプレーも、この日はケガ人などのチーム事情でLOに入った。そのお陰でバインドを組み、ピッチに立てた。

 藤田は日立一高に入学後、野球部に入った。しかし方向性が合わず、やがて退部。

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