軟弱な男たちの姿に見かねて、あの先生が立ち上がった!
杉作J太狼XE先生の「男の偏差値がぐんとアップする美しさ勉強講座」
レストランに行って。
さあ、なに食べようかというときに周囲のテーブルを観察するというのは、ま、理には適ってる。とくに初めて入った店だとなにがおいしいのかわからない。周囲の注文を参考にするのは当然なのかもしれないね。
初めて入ったラーメン屋なんかの場合、この店は醤油ラーメンがおいしいのか、担々麺がおいしいのか、味噌ラーメンがおいしいのか、タンメンか塩かバターか。周囲の人が頼んでいるのを参考にすることはあると思う。
このとき、きょろきょろ、あるいはじろじろ、周囲の客を見るのはよくない。親しい人ならともかく、知らない人に食事している姿をじろじろ見られるのは感じのいいものではないからだ。
だから耳をすましてみるぐらいでいい。
みなさん、なにを注文しているか。
「タンメンください」
「俺、タンメン」
「私、タンメン」
「やっぱタンメンかな、タンメンください」
20年ぐらい前に初めて行った中華料理屋がまさにそうだった。俺はその店でタンメンを食べた。画期的においしかった。裏通りにある個人営業の小さな中華料理屋だったがほんとうに旨かった。人通りのない住宅街だったがいつもほぼ満員。合席がデフォルトだった。客の大半がタンメンを食べていた。最初は定食かなんかを注文したと思う。だがあまりにもみんながタンメンを食べているので、いや、それでも俺はすぐにはタンメンに流れなかった。俺はタンメンをそんなに好きではなかったからだ。ぼんやりした食べものだと思っていた。何度かその店に行き、そしてある日俺も流れた。俺はタンメンにめざめた。その店に限らずタンメンがメニューにある店に行くとタンメンを食べるようになった。だがその店のタンメンを越えるタンメンはなかった。
10年ぐらい前にその店は突然営業を終えた。
なにがあったかわからない。とにかく閉店した。