イタリアのピザの代表的なものといえばナポリピッツァのマルゲリータだろう。
イタリア王妃、マルゲリータ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァが、「バジリコの緑、モッツァレラチーズの白、トマトソースの赤がまるでイタリアの国旗を表しているようだ」として気に入り、自らの名を冠したと言われている。
もしあなたが完璧なマルゲリータを食べたいのなら、ローマに行けば良い。ナポリ発祥のマルゲリータだが、ローマのマルゲリータはことさらうまいのだそうだ。
だが、それが難しいなら、他にも方法がある。
イタリアの物理学者が、完璧なピザを焼くための数式を導き出すことに成功した。
すごくややこしい熱力学の数式なのだけど、それをもとに温度と時間を設定することで、自宅のオーブンでおいしいピザを焼き上げることができるという。
これは『The Physics of Baking Good Pizza(美味しいピザの焼き方の物理学)』という研究論文の基本コンセプトだ。物理学者2人と食材人類学者1人が、ピザに科学で立ち向かった記録である。
そう、すべてはおいしいピザの為なのだ。
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・物理学者が教えるピザを焼く完璧な条件とは
彼らが実験台に選んだのは、そのシンプルさゆえに究極のピザとも称されるマルゲリータだ。
研究では、腕利きのピザ職人に頼んで、自分たちの目の前で生地を練り上げ、窯の中で焼いてもらった。
ピザ職人の手にかかれば、ピザ生地は2分もしないうちにこんがりとしたマルゲリータに焼き上がり、「口の中からヨダレ」が溢れてくる。