齋藤孝「脱・リア王症候群」超入門(2)人格形成が昭和時代だから

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齋藤孝「脱・リア王症候群」超入門(2)人格形成が昭和時代だから

 個人差はあるものの、肉体的な衰えが見えてくると、その場にいるだけで重く不機嫌な空気感をまとい始めていることを自覚しなければなりません。こういう慢性的な不機嫌は、本人の気持ちを蝕むだけでなく、職場や社会全体の生産性を下げ、トラブルやハラスメントの火種になるのです。

 これは、いまの中高年が主に人格形成をしたのが、昭和だということも大きく関係しています。昭和の時代というのは、男が野放図に威張ってワイルドが認められていた、パワハラもセクハラも言葉すらなかった時代です。

 では、そんなリア王症候群を自覚した上で、症状を軽くしていくにはどうしたらいいのでしょうか。

 まずは、努めて笑顔で上機嫌で軽やかに過ごすこと。そのお手本は、タレントの高田純次さんです。高田さんは、まず他人に対して不機嫌に振る舞わない。ジョークが言えて、軽やかに周りを明るく笑わせ、そして余裕があるように見える。目指すべきは、あの上機嫌さです。

「愛されるオジサンになる6カ条」

 リア王症候群を克服して、嫌われない、愛されるおじさんになる方法について考えてみましょう。

【1】セクハラ、パワハラおやじにならないために

 今年起こったさまざまな事件を受けて、セクハラ、パワハラについての講習会が各所で開かれています。そこで冒頭に言われるのは「相手がセクハラだと感じたらセクハラです」ということ。それではどんなことでもセクハラになっちゃうじゃないかという意見もあるでしょうが、ここはまず、セクハラになるようなことを一切言わない、しないことしか対策はありません。

 セクハラを勉強するなら、昭和の映画を観るといいと思います。いまならこれはアウトというセリフがいっぱい出てきます。ハナ肇とクレージーキャッツの植木等が活躍した頃のサラリーマン映画『ニッポン無責任時代』などの無責任シリーズや森繁久彌主演の『社長シリーズ』なんか、すごくいいですね。昭和の映画を、このセリフはアウトだなとか言いながら観ると、いい反面教師になる。そして、危険でアウトな言葉を安全な言葉に言い換える練習をするといいでしょう。

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