齋藤孝「脱・リア王症候群」超入門(2)人格形成が昭和時代だから (3/3ページ)

アサ芸プラス

たとえば若い人たちがカラオケに行くという場面で、じゃあ皆で行ってこいよと1万円をポンと出すとか。余裕がなければ5千円でもいいでしょう。最初だけ参加して、じゃあ、と5千円を置いてサッと帰っていくというわきまえ方も必要です。

【5】自慢話は自虐ネタを入れて15秒以内で手短に

 日本人は謙虚さを美徳としているので、一般に自慢話は嫌われますが、自慢話をしてはいけないということではありません。

 私はむしろ自己アピール力、自画自賛力をつけたほうがいいとも思っています。自分はこういう人間だという自己アピールとしての自慢話は必要です。

 お笑い芸人などが上手いのは、自慢話のなかに自虐ネタを入れて自分を笑う。するとプラスマイナスゼロになる効果がある。

 まずは相手を選んで、15秒以内で終えること。実はみんな自慢話が嫌なのではなくて、話が長いのが嫌なのです。15秒なら、相手も負担に感じないから、嫌われることはない。上手に自慢話をして、相手の自慢話も引き出していく、そんな話し方ができれば完璧です。

【6】愛されるおじさんファッション

 オシャレについては、もともとのセンスも必要だし、勉強しても時間がかかるもの。まずはとりあえずのブランドを決めて、そのブランドで統一することです。海外の高級ブランドでなくても、そこそこの間違いがないブランドでそろえておけば、おじさんらしい安定感が出ます。

齋藤孝(さいとう・たかし):1960(昭和35)年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現職。2001年『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス)で新潮学芸賞受賞。同年『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり、日本語ブームに火をつけた。その後テレビのコメンテーターをはじめクイズ番組などに多数出演。著書の累計出版部数は1000万部を超え、近著に『大人の語彙力』『50歳からの孤独入門』などがある。

「齋藤孝「脱・リア王症候群」超入門(2)人格形成が昭和時代だから」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 12/20号リア王ウィリアム・シェイクスピアハラスメント中年エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る