秋津壽男“どっち?”の健康学「乾燥肌のかゆみを薬で治すべきか否か原因は冬のせいだけではなく老化現象も」

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秋津壽男“どっち?”の健康学「乾燥肌のかゆみを薬で治すべきか否か原因は冬のせいだけではなく老化現象も」

 冬になると男性でも気になるのが、肌の乾燥。汗をかきにくい冬場は肌の水分や脂分が不足する「乾燥肌」になりやすくなります。

 本来、皮膚の表面にある角質層は肌に潤いを与える役割を果たし、皮脂膜は角質層の水分が不足しないように皮膚を包んでいます。いわば自然のコーティングです。

 皮膚は「ターンオーバー」と呼ばれる新陳代謝を繰り返して細胞を新しいものに入れ替えてバリア機能を保ちますが、不摂生やストレスが多いほど新陳代謝のバリア機能が低下してしまいます。角質層のバリア機能が低下すると皮膚の水分が逃げやすくなり、ひび割れや皮が剥けるなどの症状につながります。特に冬場は暖房により部屋が乾燥することで、角質層にダメージを与え悪さをします。

 体が温まると肌がかゆくなり、肌をかいてしまいがちですが、これが原因で強いかゆみを引き起こし、水ぶくれなどの湿疹を併発する乾燥性皮膚炎となるケースもあります。さらに、乾燥肌は老化現象の一つでもあるので、誰にでも起こりうる症状です。

 では、ここで質問です。乾燥肌を改善・予防する場合、薬を用いるべきか否か、どちらでしょうか。

 人間の肌は脂を分泌して常にメンテナンスをしていますが、この脂分が足りなくなると肌が乾燥を起こします。つまり、乾燥しやすい時期は脂分を減らさないことが肝心です。例えば、脂抜きなどの極端な食事制限も今の時期は控えるべきです。高脂血症で脂分を制限している人も、冬場は少しだけ食べることを考えてください

 入浴の際に体をゴシゴシと洗いすぎて、脂を流してしまうのもよくない行為です。入浴は肌の脂分を削いでしまうため、風呂の温度を39~40度とぬるめにするのは一つの手です。さらに、入浴時間も15分前後がちょうどいいでしょう。

 また、女性に限らず風呂上がりに脂分を補給するためにローションや化粧水、クリームを使用する人は少なくないですが、肌にいちばん重要なのが脂分であることを考えると、湯船の中にバスオイルを少量入れるだけで効果的です。体が温まると毛穴が開きます。

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