先日紹介した、室町時代に制作された御伽草子(おとぎぞうし)「十二類絵巻(じゅうにるいえまき)」を始め、室町時代あたりから江戸時代にかけての絵巻物の中には、アニメ化されてもおかしくない、とてもユニークな物語が数多く存在します。
映画化希望!十二支とそれに属さない動物たちとの闘争を描いた室町時代のハードボイルド絵巻「十二類絵巻」でも”昔の絵巻物”ということで堅苦しく考えてしまい、面白いストーリー展開や可愛らしい描写が詰め込まれた作品を見逃してしまっていることってまあまあ多いと思います。
今回紹介する絵巻もそんな作品のひとつかもしれません。紹介するのは室町時代に成立した物語「福富草紙」です。福富草紙は後にオリジナルをもとに登場人物や展開を変えたバージョンも作られました。
物語の内容は日本昔ばなしで描かれるような、庶民的でちょっぴり滑稽なお話です。