森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★日本は発展途上国になる

| 週刊実話

 パイオニアは、1月25日の臨時株主総会でアジア系投資ファンド「ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア」から1020億円の支援を受け、同社の完全子会社となることを決めた。パイオニアは、ステレオで大きな地位を築き、レーザーディスクでカラオケブームを巻き起こした。世界で初めてカーナビを開発して、いまだにカーナビ技術でトップを走り続ける。それが、わずか1020億円で外資に売られることになった。今回も、政府は支援の気配さえみせなかった。

 ただでさえ、日本の対世界GDPシェアは、’95年の18%から、最近は6%へと3分の1にまで下落している。こんな外資への叩き売りを続けていたら、日本が向かう未来は、間違いなく発展途上国への転落だ。

 政府は、昨年の外国人入国者数が3010万人と過去最高になったことを誇らしげに語っているが、外国人入国者が急増した最大の理由は、日本経済が転落して、日本旅行が割安になったことではないだろうか。

 実は、日本経済の転落は、我々の老後生活を考えるうえでも、重要な意味を持ってくる。昨年10月に厚生労働省は、社会保障審議会年金部会に興味深い数字を示した。1980年生まれの場合、100歳まで生きる確率が男性6%、女性20%になるという。統計学の世界では“5%有意”といって、間違える可能性が5%以下でないと、その仮説は支持されない。逆に言うと、5%以上の確率で起きることは、「あり得る」と考えないといけない。つまり、我々は100歳まで生き残ってしまうことを覚悟して、人生設計をしないといけないことになる。60歳の定年から、実に40年間もの余生を考えなければならないのだ。

 そのとき、資産運用をどのように考えたらよいのか。普通に預金で持っていたら、物価上昇に負けて、どんどん目減りしていく。長期国債を持っても、金利はわずか0.1%。やはり、資産の目減りを防ごうと思ったら、海外に目を向けざるを得ない。例えば、比較的安全な米国債でも3%近い利回りが得られる現状がある。

 もちろん、外貨建ての金融商品には為替リスクがつきものだ。ただ、今後40年間の長期スパンで考えれば、円安の局面は必ずくる。そのタイミングで円に戻せばよい。

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