ワームホールによるワープは可能。でも思っているより時間がかかり近道にはならない(ハーバード大学物理学者)
2019.04.20 09:30
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カラパイア
Pitris/iStock
湾曲した時空のトンネルで、中に入ればはるか遠方まであっという間にワープできるとされるワームホール――それが存在しうるということが、ハーバード大学の物理学者によって明らかにされた。
だが、銀河の果てまで旅をしようと旅行鞄に荷物を詰め込むのはちょっと待ってほしい。ダニエル・ジャフェリス氏によれば、理論上は存在しうるとしても、人間が移動に使うには便利なものではないらしい。
直接行くよりも、ワームホールのほうが時間がかかるというのだ。
・ワームホールは近道にならない?
この新説は2019年度アメリカ物理学会で発表される予定のものだ。
新理論の重要な点は、ブラックホール情報パラドックスや、重力と量子力学との関係といったことを知る手がかりになるという。
光が通過できるワームホール作成法を発見することができれば、量子重力理論の発展を加速させる便利なツールになるだろう。
2013年に提唱されたER = EPR理論では、ブラックホールを結ぶ「アインシュタイン=ローゼン・ブリッジ」(ER)が存在し、これは素粒子の「量子もつれ」(EPR)と等しいと主張している。
そして、ジャフェリス氏によれば、ブラックホール同士を接続させた方が、ワームホールより短いということである――
つまりワームホールは近道にならないのだ。