近年、生命保険の税務においても大きな影響を及ばす節税保険について、その保険の販売を見合わせるというニュースが世間をにぎわせています。この節税保険は、保険税務の穴を突いたものので、定期保険に準じた取扱いとなり、その保険料の全額が経費になりますので大きな経費をつけることができます。
■国税の主張とは
一方で、この保険は経営者の退職金の確保という側面もあるため、退職金に充当できる多額の解約返戻金も支払われます。こうなると、定期保険を支払っているという実体よりも、解約返戻金を得るために資金を積み立てていると変わらないことから、保険料の全額を経費にするのはおかしいのではないか、といった主張が国税からなされたようです。
結果として、国税は今後通達を改正して、問題になっている保険のうち一定のものについて、保険料の全部又は一部を経費として制限すると見込まれています。なお、執筆時点の情報では、国税が問題視している保険は、ピーク時の「解約返戻(払戻)率」が50%を超える商品のようです。
■保険税務は通達で決まっている
ところで、保険の税務は全く法律には書いておらず、国税庁が決めた通達という内部文書で取扱いが定められています。このため、今回はこの通達を改正することで上記の保険を制限しようとしている訳ですが、本来はこのような改正は法律で行う必要があります。このため、現時点の取扱いは、法律的にはおかしなものです。
なお、通達を改正する場合、実務に影響がある所定の改正については、パブリックコメントを実施することが多く、この保険税務に関しても国税庁のホームページにおいてパブリックコメントが出されていますので、意見があればきちんと主張しましょう。
加えて、パブリックコメントにおいては通達の改正案が示されますから、内容はしっかりとチェックする必要があります。
■決算対策などにも影響がある
この通達の改正がいつからどのように適用されるのか、詳細は執筆時現在不明ですが、従来の保険については、決算前の節税として駆け込み的に使うことができました。
世間を賑わす節税保険の販売禁止と早急に求められる保険税務の見直し
2019.05.09 19:00
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