6月5日、コカインを摂取したとして麻薬取締法違反の罪に問われた、ピエール瀧被告(52)の初公判が東京地裁で行われた。テクノユニット「電気グルーヴ」で活動するミュージシャンとしてだけでなく、俳優としても多くの作品に出演していた瀧の逮捕は日本中に大きな衝撃を与えた。
そんな被告の初公判ということもあり、公判開始1時間半前にもかかわらず数十台のテレビカメラや報道陣が駆けつけた。有名人の裁判には、数少ない傍聴席を求めて、多くのマスコミやファンが長蛇の列を作る。5日の瀧の公判も、傍聴希望者が殺到するのではないか、と予想されていた。
ところが、現地に記者が足を運んだところ、東京地裁の正面入口に傍聴希望者は絶え間なく訪れているものの、その列は流れるように進んでいる。東京地裁の警備員からはこんな声が聞こえてきた。
「傍聴希望者が多いときは正面入口前だけでなく角を曲がるくらいには並ぶから、今日は少ないかもね」
最終的に瀧の初公判は、21の傍聴席を1266人が希望し、その倍率は約60倍となった。
「有名人の薬物裁判で記憶に新しいものでいうと、2016年に行われた元プロ野球選手の清原和博(51)でしょう。初公判では傍聴席20席に対し、3769人が希望し、倍率は188倍となりました。同年に行われた俳優の高知東生(54)の初公判は、傍聴席18席に対して1198人が希望し、倍率は67倍。