ある「地下アイドル」の告白(2)生活に困窮しヤバいバイトに手を染める子も

| Asagei Biz
地下アイドル450

 ライカさんのアイドル活動は、ダンスやボイトレのレッスンをこなしながら、平日・週末問わずライブハウスでパフォーマンスを行う。ライブハウスでは入場時にファンに必ず「特典会」のチケットが手渡される。要は、握手券のようなものだ。ライブが終われば特典会が催され、自身を“推しメン”とするファンと握手をし、インスタントカメラの「チェキ」でツーショ撮影を行い、オリジナルのキャラクターグッズの物販が行われる。

 実はこの特典会こそが重要なのだ。ここでの売り上げが費用面で彼女らの活動をほとんど支えているからだ。地下アイドルのマネージャーを務める男性がこう説明する。

「地下アイドルの最大にしてほとんどの収入源はライブでの特典会の売り上げと言っていい。Tシャツやペンライト、タオルなどの2000〜3000円くらいするオリジナルグッズや1枚1000円のシングルCDは、やがて行き渡ってしまえばもう売れません。一方で次から次へと出るのが1枚1000〜2000円のチェキの撮影です。熱狂的なファンの場合、その時の懐具合によってですが、20〜30枚くらい撮影する人もいて、その場合、1人当たりで3〜5万円の売り上げになりますから。5人くらいのユニットで考えた場合、トータルでの平日の売り上げが2〜3万円、週末だと10〜15万円。地下アイドルは事務所にとっては良い日銭稼ぎになるんです」

 話を聞くとなかなかうまい商売なのだが、地下アイドルの台所事情はとても厳しい。ライカさんはこう漏らす。

「一番少ない時で月のギャラが6000円なんてこともありました。多くてもせいぜい6万円くらいとか、月によってバラバラでした。10万円以上もらえているなんて話は聞いたことないですね。お客さんが来ないと全然もらえなくて、もちろん生活できるレベルじゃないです。最初の事務所の話だと、『生活はキツいかもしれないけれどそれでも生活はできるお金は出すから』という話で、『バイトも辞めていいよ』という言葉を信じてバイトを辞めた子もいました。ところがフタを開けてみればこんなに少なくて。食べていけません」

 ライカさんの場合は都内の実家暮らしだったので本格的に生活に困ることはなかった。

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