多くの人が一度は夢見てあこがれる起業だが、成功する人はごく一握り。やはり、簡単なものではないという現実がある。
ビジネスのプラン、戦略、人脈が揃っていても、かならずしも起業は成功しないもの。どんなに自信があっても油断はできない。
これから起業する人が少しでも成功の確率を高め、すでに起業しているものの軌道に乗っていない人がビジネスをいい循環に乗せるために、どんなことが必要なのだろうか。
■「資本金1円」手軽になった起業、落とし穴も…起業コンサルタントの中野裕哲さんは、著書『相談件数No.1のプロが教える 失敗しない起業 55の法則』(日本能率協会マネジメントセンター刊)で、起業でつまずかないために知っておくべきこと、やるべきことをまとめている。
その内容は、商品やサービスの設計から資金調達、営業、マーケティング、会計、税務まで多岐にわたるが、ここでは「はじめの一歩」ともいえる会社設立について、知っておくべきことを紹介する。
昔とは違い、今は法的には「資本金1円」で起業ができる。起業へのハードルは確かに下がっているが、だからこその落とし穴もある。
資本金1円で法人を作ることは可能だが、この場合資金調達が難しい。金融機関が融資判断をする際、資本金の額は目安の一つになるからだ。当然1円しかない会社に融資をしようとは思わない。また、理屈上資本金1円で起業した会社は、ペンを一本買うだけでも社長から借り入れをしなければいけないことになる。事実上「1円」では事業はできないのだ。
手軽さという意味で「1円起業」と同様落とし穴になりがちなのが、バーチャルオフィス。働き方が多様化し、起業するといってもかならずしもオフィスを必要としなくなっている一方で、会社設立には住所が必要である。
こうしたニーズに応えて、登記上の住所として使えるのがバーチャルオフィスだが、バーチャルオフィスを本店所在地として登記していると、銀行口座を開設できないケースや、自治体の創業融資を受けにくくなるケース、官公庁の許認可が下りにくくなるケースなどがあり、注意が必要になる。