先般、引退を表明したイチロー選手について、報酬のもらい方が話題になりました。具体的には、現役時代に契約した年俸の一部を、引退後に利息を合わせて受け取る契約としていたということのようです。引退後の生活も見据えての契約と考えられ、イチロー選手の賢さがよく分かります。
■税はどうなる?
では、仮にイチロー選手のような契約を日本で行った場合、課税はどうなるか考えてみます。仮の話ですので、アメリカではなく日本の税制を前提に解説します。
税務上は、もらえるのが引退後であったとしても、税金が課税されるのは引退後ではないと考えられます。というのも、日本の法律では、税金が課税されるタイミングは権利確定基準で見るのが通例だからです。権利確定基準とは、お金をもらえる権利が確定したタイミングで、税金の対象になる所得を認識する方法を言います。権利が確定した以上は、実際に入金されるタイミングが前後したとしても、いずれお金を貰えることになるため税金を納める資力(担税力)があると考えられることから、そのタイミング税金をかけることにしているのです。
■権利確定をどう見るか
この権利確定を判断する場合、押さえるべき概念が同時履行の抗弁権というものです。同時履行の抗弁権とは、二者間で契約する場合に適用されるもので、相手方が債務を履行しない限り、こちらも債務を履行しないと主張できる権利を言います。具体的には、商品の売買において、売主は買主がお金を払うという債務を実行しない限り、商品を渡すという債務を履行する必要はありません。このような関係です。
同時履行の抗弁権が主張できる場合、権利が確定したとは言えません。このため、顧客が同時履行の抗弁権を主張できないタイミングで、権利確定と見ることになります。
■商品は引き渡し、サービスは全部の提供
このようなタイミングは、商品であればそれを顧客に引き渡した段階であり、サービスであれば全部提供した段階です。こうすれば、自分の責任は全部終わっていますので、顧客がお金を払わないという同時履行の抗弁権を主張することはできません。
報酬の一部を引退後に受け取る契約をしていたイチロー選手とその課税関係を解説
2019.07.19 19:00
|
相談LINE
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
「ヒクイドリの部屋」から〝謎の棒〟発見される 黒くて硬くて...これは何?動物園に聞く
Jタウンネット
2
なぜ警備員の高齢化と人手不足は止まらないのか――待遇改善とデジタル活用で変わる「安全を守る仕事」
TREND NEWS CASTER
3
「病気」から「人」を診る医療へ――地域のクリニックに求められる新たな役割
TREND NEWS CASTER
4
「背中を見て学べ」はもう通用しない?世代間ギャップを埋める実践型研修の可能性
TREND NEWS CASTER
5
外国人人材の受け入れを阻む「営業の壁」 登録支援機関を支える新たな分業の形
TREND NEWS CASTER
6
暑~い夏に、リス&カワウソたちに冷たいプレゼント 仙台うみの杜水族館の企画がやさしい【7/31~8/23】
Jタウンネット
7
ペンギンも〝夏の風物詩〟満喫中 あわしまマリンパークの恒例イベントに2.2万興奮「ずっと見てたい」
Jタウンネット
8
医師はいるのに「受診できない」――医療アクセスの盲点とは
TREND NEWS CASTER
9
飲食店を支える「業務用中華点心」 人手不足時代の新たな市場価値を読み解く
TREND NEWS CASTER
10
地域産品は「物語」で価格競争を抜け出せるか、500件超の商談から見えた地方ECの課題
TREND NEWS CASTER