人間は幸せに満足するようには設計されていない。必ず悩むようにできている。

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人間は幸せに満足するようには設計されていない。必ず悩むようにできている。

Image by Shift and Sheriff from Pixabay

 そもそもっ”幸せ”って何だろう?人によって”幸せ”の形は様々だ。他の人から見れば幸せそうにみえる人でも、実は深い悩みをかかえていたりなんかする。でも、誰もが幸せになりたいというのは共通だ。

 それ故に、”幸せ”に関するビジネスは世界中で大人気となっており、アメリカでは年間約1兆2000億円ほどの市場があるという。皮肉にもこれにより”幸せ”を特別視されてしまい、現実はそうやすやすとは幸せをもたらしてはくれないというイメージを作り出している。

 では実際にはどうなのだろうか?果たして人間は幸せに満足するようには設計されていないようだ。満足した状態は自然によって抑制されるようにできている。なぜなら、潜在的な脅威に対する警戒心を低下させてしまうからだ。
・”幸せ”は幻のような理論上の目標
 
 10世紀の後ウマイヤ朝カリフであるアブド・アッラフマーン3世が発見したように、物質的・生物学的な欲求が満たされてもなお、”幸せ”は幻のような理論上の目標であり続ける。

 アッラフマーン3世は当時最高の権力者で、軍事的・文化的な偉業を達成し、2つのハーレムを所有していた。そんな彼は老境に差し掛かって、これまで心から幸せに思えた日を数えてみたという。が、それはたった14日でしかなかったのだ。

 ブラジルの詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスは、幸せについて「空を舞う羽のごとし。軽く、しかしつかの間だけ舞い上がる」と述べた。

 ”幸せ”は人が考え出したものであって、実際の経験の中にはそれに相当するものがない抽象概念だ。脳内には好ましい感情も歓迎し難い感情もあるが、ずっと続く幸せには生物学的な基礎がない。

 だが意外にも、おそらくはそれは喜ぶべきものだろう。
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