8年間の壮絶な闘病の末、39歳女性が死亡 原因は海外旅行で“マダニ”にかまれたこと? 日本でも報告例が

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8年間の壮絶な闘病の末、39歳女性が死亡 原因は海外旅行で“マダニ”にかまれたこと? 日本でも報告例が

 夏休みにアウトドアを楽しむ人は多いことだろう。近年、熱中症がテレビなどのメディアでクローズアップされることも多いが、夏のレジャーはほかにも危険が付きまとう。

 海外ニュースサイト『Daily Mail』は、イギリスで39歳の女性、カーリー・エリスさんが8年間の闘病の末に亡くなったと7月26日に報じた。2008年にオーストラリアを訪れた際、マダニにかまれて「ライム病」を発症したことが原因とみられている。ライム病とはボレリア菌を持つマダニにかまれることにより感染する病気で、最悪の場合、死に至ることもあるという。

 同記事によると、カーリーさんは海外旅行が好きで、懸命に働き、生活費を切り詰めて旅行費用を捻出して世界各国を巡っていたという。2008年にオーストラリアから帰国した際、現地でマダニにかまれ、手のひらサイズの紅い斑紋(はんもん)が浮き出たと両親に報告していたようだ。この時の赤い斑紋は、ライム病の特徴である遊走性紅斑であったとみられているが、当時のカーリーさんは事態をそれほど重く考えていなかったという。

 3年後の2011年に体調不良で救急科に搬送されて髄膜炎と診断されたことを皮切りに、カーリーさんは入退院を繰り返したそうだ。病院を転々としながら検査を受け続けて、ようやくライム病だと分かったという。その後もさまざまな治療法を試したものの、敗血症や肺炎などの病気に苦しみ、手術で胆のうを切除した。直接の死因は分かっていないが、死の直前には肺に至る動脈に血栓が見つかったという。

 このニュースに対し、ネット上では「この記事で初めてライム病を知った」「発症に3年もかかるなんて」などの声が上がった一方で、「カナダはライム病の診断が一般的だよ。早期発見できたら死なずに済んだかもしれないのに」「私もかかったことはあるが、すぐに病院に行き軽症で済んだ」など、早期治療の重要性を説く声も上がっていた。

国立感染症研究所の公式サイトによると、ライム病は、ボレリア菌を持つ野生のマダニを介して起こる感染症であるという。個人差はあるがマダニにかまれてから発症するまでに数日から数カ月を要する。19世紀後半からヨーロッパで症例が報告されていたというが、1970年代以降、アメリカ北東部を中心に流行が続いているそうだ。

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