素直になることの難しさは、自分が好きな人に何かをするときだけに襲ってくるわけじゃありません。
相手が自分に対して何かをしたり、言ったりしたときのリアクションにも表れてきます。例えば、好きな人からデートの最中に「手、繋がない?」と言われて、たしかに予想はしてなかったけれど、でもまんざらでもない、てかめっちゃ嬉しい。
これが本音なのに、ついつい「えー」と笑ってごまかして、彼をしゅんとさせてしまったことなんかは、ありませんか?
素直になれない気持ちは、もとを辿れば、「好き」って正面から認められない感情のこと。
だから、自分から相手に対してポジティブなアクションをするというだけでなく、相手からの愛情表現を「ありがとう」と笑顔で受け取ることすらも、素直が苦手な人には、難しいのです。
その意味では、自分から行動できないことも、相手の行動を受け取れないことも根っこの部分では同じです。
ただ、そのインパクトはかなりの違いがあります。
自分からアクションできないというのは、まあ言ってしまえば、私の心の中にある「好き」の気持ちが相手に届かないというだけなので(それはそれでもちろん残念ですけど)、「まあまた今度頑張ろうね」ってポジティブになる余地も全然あります。焦らず、次!ってね。
プラスはないけど、マイナスにはならないわけです。
でも、相手の行動を拒むこと。例えば「手を繋ごう?」に対してごまかしたり、「ふたりで飲みに行かない?」というのを「みんなで行こ?」とはぐらかしたりしてしまったときには、「本当は嬉しいんだよ」という気持ちが伝わらないだけじゃなく、最悪なことに、ポジティブな気持ちの代わりに、「嬉しくないよ。ノーセンキュー」というネガティヴな(誤った)感情が伝わってしまいます。